求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
●翔哉side
俺は、会場内に入ると自然と冷静になっていく自分を感じた。
傷つけたこと、守れてないこと、辛い思いをさせていること……すべてすべて、自分にとって人生初、酷い苦しみだった。
だが、それでもなお、彩乃を求めてやまない俺の気持ちに気が付いたのも、そんな苦しみを感じたからこそ、だ。
だからなのか、ふっ切れた気がする。
ゴチャゴチャ言ったり考えたりではなくて、心に素直に彩乃を求める、ただ、それでいいんだ、俺自身が幸福になるためには。
そして、彩乃にも幸福を感じて欲しいから、その為なら何だって出来る。
『離別』以外なら………
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「彼女に関して、ネットに載ってしまった情報から調べたんですね?」少しムッとしながら後藤とかいう記者に聞く。