求*幸福~愛しい人はママだった~【完】

●翔哉side



バレンタインデーのプロポーズを社長に話すと「やったなぁ~!」とバチンと肩の辺りを叩かれた。



社長は自分の事のように嬉しそうに笑ってくれた、この恋愛を応援してくれる人が身近にいることがこんなに幸せなんだと、今更ながら感じた。

**********

事件から1ヶ月、犯人である女性は俺が大学で芝居をしていた頃からのファンだったと、警察から聞かされた。



逮捕され、精神的に落ち着きを見せたその女性は『滝沢翔哉さんの相手の方には申し訳なかったが、自分の気持ちが抑えきれず、考えすぎた結果、滝沢さんが自分のもので邪魔されたって何故か思えてきた、本気で好きだった』と泣きながら聴取されたそうだ。



その後、傷害と脅迫の罪で起訴されて、償っていくんだろう。



マスコミは俺の記者会見時までは、『痴情のもつれ』『一生残る傷痕』など言われていたが、会見後はほんとに静かにしてくれるようになりそれも嬉しかった。




< 252 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop