【砂漠の星に見る夢】

光沢のある玉虫色シルクのドレスに艶やかな黒髪、キラキラと輝く大きな蒼い瞳を見て、父は感激したように、


「私の娘は、なんて美しいんだろう」


とイシスを抱き締め、母はいそいそと首にサファイアのネックレスをかける。


「これは、私も母からもらった宝物だよ。あんたの瞳の色と同じで、よく栄える。美しいよ」


すると父もイシスの頭に鍍金の頭飾りを乗せ、


「イシス、お前に女神の名をつけたのは、間違いではなかったよ。大層な名前をと周囲の失笑を買ったがね」


と目に涙を浮かべた。


そんな両親の姿を前にイシスは『一体何やっているんだか』と呆れ顔で息をつく。


両親は盛り上がりに欠けるイシスを無視するかのように、


「さっ、帰還祭に行くよ!」と手を引っ張った。


「分かったわよ、引っ張らないで」


イシスは『仕方ないな』と息をつき、帰還祭が開催されている『神々の広場』に向かった。




< 43 / 280 >

この作品をシェア

pagetop