【砂漠の星に見る夢】

その光にざわめきが嘘のように静まり返り、民衆も王族も同じように固唾を飲んで見守る中、


次の瞬間、まるで魔法のようにその光の中から美しい青年が姿を表した。


輝くような金髪に、褐色の肌、整った美しい顔立ちにエメラルドを思わせる美しい瞳。


光沢のある白いマントを羽織り、黄金の冠を頭に乗せ、首から胸元まで覆った黄金と翡翠の胸当てと腰布を身に纏っている。


それは紛れもなく、ネフェル第一王子だった。


その姿を確認するなり、うわあああ、と民衆は一斉にどよめき、「ネフェル様だ!」「なんてご立派になられて!」「あの美しさ!」と割れんばかりの拍手と歓声を上げる。


「う、うそ、あの人ネフェル王子だったの?」


そんな中、ただ一人イシスだけは仰天し、呆然と目を開く。


そう、ネフェルは川岸で出会った美青年だったのだ。


どういうこと?だって、ネフェル王子は今帰国したんでしょう?


どうしてあの時川岸にいたわけ?


イシスが混乱する中、「では、お願いします」と侍従が贈呈する花束を差し出す。


他の娘達は「ネフェル様が、あんなに素敵になられているなんて」と嬉々として舞台へと上がって行き、一方のイシスはしばし戸惑いの表情を浮かべていたが、気を取り直したように花束をグッと持ち直し、「ったく、信じられない」と舌打ちしながら舞台に上がった。



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