【砂漠の星に見る夢】
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ピラミッド完成式から数日が経ち、二週間後に控えたネフェルの誕生日に向け、宮殿はにわかに活気づいていた。


「ネフェル様が連れて来られる女性ってどんな方なのかしら」


「どんな方でも羨ましいわよね」


そんな侍女の噂話が宮殿内で囁かれるようになっていた。


宮殿全体が浮かれた雰囲気に包まれる中、ヘレスだけは浮かない気分でいた。


ピラミッド建造の功績によりネフェルの評価は大きく上がり、一方のクフはなぜか塞ぎ込んでいた。


どうしたことかとヘレスは塞ぎ込むクフの元に向かった。


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