Special

危機



講義を終えて急いで帰る支度をしていると、茜が声を掛けてきた。


「由麻っ!最近付き合い悪いけど…ていうか、ホントどうなってんの?大丈夫?都合よく利用されてたりしない?!」
「ちょっ…あ、茜!」


勢いよく腕を掴み押し、まくし立てられる。
茜は親戚のお姉さんの経験から、本当に私を心配してるのだ。


「由麻。何かあったら…ううん、ある前にいつでも言って」
「ありがとう……茜。あのね…」






茜に話を終えた私は早足で大学の玄関を出た。


“早く、会いに行きたい。一分・一秒でも早く――”


今の私にはその想いだけ。


私は茜にこう言った。


『あの人は女を…人を利用するようなことはしない。私を信じて、応援して…』


ホストとは皮肉なもので、女性から求められながらも、敬遠されてしまうものがあると私は思った。




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