傍にいさせて





心の中で謝りながら、二人について行く。



その間も、何かずっと見られてる…気がする。


そんな視線から守るように、二人が私の両側に立ってくれた。




「ありがと……」




私がポソッと言うと、二人して私の頭を撫でてくれた。








「夏恋ちゃん、着いたよ」




何回か目の階段を登と、湊くんがそう言った。



そういえば私、学校の屋上に行くのって初めてかも。


小学校の時は当たり前だけど、中学校の時は危ないからって立ち入り禁止だったし。


高校は、前の学校の屋上は、いわゆり不良の溜まり場だったから、自らを危険に晒す…なんてできなかったし。



屋上って、やっぱ景色いいのかな…。

楽しみだなぁ。





屋上に続く扉をくぐる前にそう思った私を、デコピンしてやりたいと思うまで、あと数秒……―――――




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