最後の恋なら




魔の昼下がりが終わる頃



「あ、市川君、福井さん
1時だよもう。時間過ぎちゃ大変なことになっちゃう」


店長が俺と茉愛菜さんを呼ぶ



なんだもうそんな時間か



「お疲れ様です」


俺は店長に一声挨拶をする



「茉愛菜さん行きましょー」



そして茉愛菜さんも呼んで事務所に入る



「はあーーー疲れたーー」



俺はクタクタだ



すぐにでも寝てしまいたいくらい



そんなことを思いつつ



茉愛菜さんの様子を伺う




やはり元気がない




「茉愛菜さーん!?」



「え?なに?」



あ、呼んだら返事するんだな



それがわかればいいんだ



「なにご馳走してくれるんですかー?」



まあまあ楽しみにしている



すると茉愛菜さんは



「あーそうかーそんなこと言ってたなー
簡単なやつでいい?」



簡単なやつとはなんだろうか



聞いたことない



「え?簡単なやつって?」


「簡単なやつってハンバーグとかー
あとはオムライスとかかな?」



あ、ファミレスってことかな!?



こりゃ随分と簡単なものだ!



「じゃあファミレスですね!」



俺がそう言うと



「え?私の料理振る舞ってあげようと思ったんだけど
ファミレスがいいの?」




………え?




「あれ?茉愛菜さんの料理?」





茉愛菜さん+振る舞う




=手作り



手作り+料理=茉愛菜さんの手作り料理





そういうことかー!!!





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