最後の恋なら
最後の恋なら




それから泣きじゃくる茉愛菜さんに


ずっと胸を貸していた




「どこが正しいのか…
何が間違いなのか…」



俺はしばらく続いた沈黙を破った



すると茉愛菜さんのすすり泣く音も小さくなる



「誰も間違ってないのに正しい方向に行かないから
何も言えないんです」




俺が必死で探した言葉




茉愛菜さんは小さくまだ泣いているような声で




「わかってるから言わなくていい」



と言った





「じゃあ俺の気持ちもせめて言わせてください」




その言葉に茉愛菜さんは頷く



「俺はやっぱり茉愛菜さんに会えたことよりも
美羽に会えたことの方が嬉しいんです
ずっと大事にしていたいんです
二人でずっと幸せになりたいんです
俺の最後の恋でいいと思ってます」



やっぱり美羽が大事だ



美羽がいるから幸せで


美羽も俺がいるから幸せなんだろう





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