黄金の半跏像(A探偵団1)
○広隆寺、山門前
タクシーが止まりドアが開く。
ほんもののせむしの作男が降りてくる。
大きく息をして山門を入る。

○同、境内
立ち入り禁止の警察のロープ。
鑑識課数名が作業中。
住職、出羽、亀山がいる。

(住職)「とほほもうこれでこの寺もおしまいじゃ」
(出羽)「まあまあそう落ち込まないで、国宝は
必ず探し出してあげますから」

そこにふらりと作男が現れる。
皆驚く。
(作男)「ううあうあうあ?(なにかあったんですか?)」
(三人)「あうあうあうあ?(おまえどこにいたんだ?)」

亀山が紙と鉛筆を持ってくる。
作男、紙に何か書いて皆に見せる。
『山奥の温泉に一ヶ月いた』

○温泉、露天風呂
温泉につかりご馳走を食べる作男のイメージカット。
変面の里と書いた標識が見える。

○広隆寺、元の境内
住職、出羽、亀山、作男がいる。
作男、懐から大きな手紙を出して住職に手渡す。
(作男)「ううああう(預かった、読め)」

住職、弱々しく手紙を受け取り読み始める。
皆、注目している。
(住職)「おお(少し明るく)・・おお(背筋がのびて)
・・・おお(目が輝いてくる)」

皆驚き、住職を見つめている。
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