ふれられない
「こらあー!!大住!!」
「ひっ!!」
「お前‥ここやったとこだろがあ!!」
「‥う」
補習はやっぱり私一人で‥
うちの学校で有名な生徒指導の池田ちゃん
いつもは優しいけど怒るとたちまち
鬼にかわる。
その時はとてもじゃないけど恐ろしい
「‥おい大住ぃ、お前そんなんじゃ
進学できねえぞ?」
「‥っ池田ちゃん!そんなこと
言わないでよ!見捨てないでよ!」
「いや、そりゃ一教師としてお前を
見捨てはしねえけどよ‥」
「私頑張るから!お願いだからー!」
「わかったわかった!とりあえず
そのプリント終わらせろ」
「はーい‥」
正直不安。
ここの高校だって家から近いって
理由だけで選んだ訳だし‥
将来の夢だって何にもない
先を見据えてなにかを
するわけでもない
とりあえず、いま目の前にある
プリントをするしかない
わたしが一生懸命プリントを
していると、池田ちゃんは少し
自分の時計を気にしだした
「どしたの?池田ちゃん」
「ああ‥」
会議でもあるのか‥
池田ちゃんは生徒指導なので
よく職員室に呼び出される
やっぱり忙しいのかな
「池田ちゃん、会議あるの?」
「いや、お前以外にもう一人
DX-Eがいるんだけどな、なかなか
来なくてなあ」