スウィートレッスン〜運命の相手は…幼なじみ!?〜
背後で不安そうな声がして、後ろを振り返ると…
「……え」
ヒナが大きな目を伏せて、居心地悪そうに立っていた。
話を聞くと、俺に学校を案内するように倉石先生から頼まれたらしい。
でも、学校案内はすでに終わってるんだけど。
俺に案内をした本人でもある倉石先生が、それを忘れてるはずはない。
どういうことなんだ?
ヒナの顔を見ながら、いろんなことを思い巡らせていた。
そんな時だった…。
「……あたし、嘘なんて言ってません」
ヒナが今にも泣き出しそうな声を出したのは。
「嘘をついたなんて…俺、言ってないけど」
俺は普通に答えたつもりだったけど、ヒナにはそう感じられなかったのかもしれない。
「案内してもらってるならいいんです。あたし、帰ります。さよなら…」
急に背中を向け、ヒナは帰ると言い出して…俺はなんだか焦った。