ペット化宣言


「てっきりあたしは、あんたがミナトさんを追いかけて無理矢理仲間になったんだと思ってた。だから、ミナトさんに迷惑かけてるんだったら、あたしが代わってやろうって。でも、そうじゃなかったんだね。」



にっこりと照れたように笑う少女。
私も微笑み返した。



「でも、どうしてそんな風にまで……」

明らかに接点がないであろうこの少女と船長さん。
少女はんーっと少し恥ずかしそうにすると口を開いた。



「あたしが小さかったときにね、あたしの住んでいた町では山賊が蔓延るようになってたの。そのせいで町のみんなは金品を無理矢理奪われたり、最終的には攫われる人まで出てきたりで、町のみんなは途方にくれてた。そんな中、とうとうあたしも攫われちゃって。怖いし暗いしでみんなと寄り添っていたらミナトさんが現れて、私たちに奪われた金品を持たせて家に帰るようにって逃がしてくれたの。それで無事に家に帰ることが出来て…その日からミナトさんはあたしの初恋の相手なの!すごく格好良かったな………。」





ほんのり頬を赤く染めて話しているその様子は恋をしている女の子。
そのとき気づいてしまった。



青年は突然現れた少女と惹かれあうのだということに。








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