ペット化宣言


「あーあ、アレンが泣かせたー。」

「え、俺っすか!?」


おろおろしだすアレンさんに涙を出しながらも笑ってしまう。

こぼした涙を拭こうとすると、前からすっと手が伸びてきて私の涙を拭った。





「そのペンダントがある限りおまえは俺のペットだ。」




「はいっ!」



いつもだったら嫌だって思うはずなのに、その時は嬉しくってしょうがなかった。





「ふーん、異世界人か……何百年と生まれ変わって、初めて見たよ。」


ひっひっひ、と笑いながら近付いてくるおばあさん。
そのおばあさんに私は底知れない恐怖を感じた。



「……何者だ?」


「わしはしがない魔女だよ。」




何が面白いのかくつくつと笑うおばあさん。
魔女、という言葉に私はぴくりと体を震わせた。



「………異世界のお嬢ちゃんは魔女の話を知っているようだねぇ。」

一瞬の動揺によって見透かされた。









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