ペット化宣言


親を亡くしてる……。

そんなの、私がいた世界では滅多にないはずなのに、ここでは日常的に起こっている。
この船にいる人が船長さん以外全員親がいないなんて……!



じわじわと出てくる涙は私の視界を滲ませる。


そんな私に一瞬驚いた顔を浮かばせたアレンさんは、私の頭に手を乗せると、がしがしと勢いよく撫でてきた。

当然髪の毛は乱れるわけで…




「うわぁ、ボサボサ。それでも女なんっすかねぇー?」


悪態をついてくるアレンさんに、何すんだよこのやろう!という視線だけでも送ろうと顔を上げる。




そして、私のボサボサな髪の毛の隙間から覗き見えたのは、アレンさんの私への初めての笑顔だった。








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