逢いたくて
一気にまわりにいる人達の視線がいたく刺さる

目を伏せていても刺さる視線

みんなが冷たい目でみている

いたたまれず席を立ち上がりロビーにでた

すこし会場より冷たい空気が心地好い

ロビーにはほとんど人がいなかった

「ねぇ時期院長のことどう思う?」

「いつ院長に就任するのかしら」

「西崎先生のことだけど」

渉のいないことをいいことに人の少ないここは渉の話題でもちきりだった

くる場所を間違えた…

せきを立とうとしたら聞こえてしまった…

「あの時期院長婦人。なんどもうちの病院に着たらしくてね主人に聞いたんだけど精神的に弱い人らしいわよ。しかも家柄もよくないみたいで孤児同然なんですって。でもお金目的で子供まで作ってとりいったらしいから精神的に弱いふりをしているって噂。そんな女に引っ掛かるなんて…院長にふさわしいのかしら…。品格を疑うわ」

「私も同じことを聞いたわ。よくそんなで来れたわよね」

気づいたら私は駆け出していた

振り返らず…

走ったらいけないとわかりながらも止まらなかった
< 160 / 204 >

この作品をシェア

pagetop