逢いたくて
机の上に離婚届と手紙を置ききれいにならべた

掃除も洗濯も全部すませてどこになにがあるかわかるようにした

何日分かのご飯も作った

このくらいしかしてあげられない…

そう想いながら丁寧に丁寧に時間をかけてやったつもりだけど

こんなにも早く終えてしまうのだと寂しく思う…

行かなきゃ…

この日のために用意してきた

気づかれないように…

なるべく私のものは残さないようにした

渉が思い出し辛くならないように…

最後の荷物をもって玄関をでる

鍵をポストに入れるときに一瞬躊躇した


これでもう引き返せない

これだけわと持っていく結婚指輪をぎゅっとにぎりしめる

そして覚悟を決めてポストへ入れた

かちゃりと冷たい音がなり心にも響いた…
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