逢いたくて
「呼吸器のダメージが大きくて呼吸困難になったんだ」

「……」

「死ぬんじゃないかとっ…」

渉が涙で言葉をつまらせた

目が真っ赤になり眉間にしわを寄せる

「死ぬんじゃないかと思った」

涙で渉がよく見えない

「やっと会いにこれたのに。やっと見つけたのに…死んだら地獄まででもおいかけようと思ったよ」

「……」

「ごめんな、咲。ひとりにして…ごめんな。これだけ呼吸器がボロボロなんだ…ずっとひとりで苦しんでたんだろ?親父に言われてからずっと」

「……?」

なんで知ってるの?!

目を見開いて渉を見ると渉は優しく頭を撫でた

…何年も前のことのように懐かしく感じる

「近くで聞いてた職員が教えてくれたんだ。咲がいなくなってすぐに…」
< 188 / 204 >

この作品をシェア

pagetop