逢いたくて
渉は私をおぶって家まで帰った

帰ると私の意識は朦朧としていて熱は39、6度

「なんだこれ~」とつぶやきが聞こえた

それでもがたがた震えて手足は冷たい

渉は私をベッドに横にして着替えさせ身体を温めてくれた

…意識が朦朧とする中で渉の私を撫でる手の温かさにほっと落ち着く

「わ…た…―…る~」

「ん?」

「わた………………る」

「はい?」

「…わ…………た…る」

「は~い」

何度呼んでもちゃんと応えてくれる

どこまで優しいんだろ…

安心して私は眠りについた
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