逢いたくて
「ただいま~ん?」

「ん?」

「いい臭い~」

「気づいた?」

私が渉の肩に手をかけて靴を脱ごうとするとカレーのいい臭いがした

夜勤あけなのにきっと料理ができない渉は早く起きて作ってくれたんだ

仕事が忙しいことを知っているから大丈夫?とは聞いてもご飯を食べろとか仕事を家にもちこむなとは言わない

きっと言われたら私が困るって分かってるから…

「おっと~」

なんだか渉への気持ちが溢れて抱き着いた

バランスを崩しながらも抱き留めてくれる渉はあったかい

「身体冷えてるな~。お風呂も沸いてるよ」

「じゃあ一緒に入る」

「行くぞ~」「わぁ~」

渉に抱っこされ私は渉の首に手を回した

「高い~!!」
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