付き合ってるのよ?
……こわっ!


なんで、いきなり笑ってんの!?


マジでこわっ!


そして言った。

「じゃあさ。『それより』ってどういうこと?それってつまり、『綾乃』より『友香』のほうが大切だってこと?」



そんなことあるわけないだろ!!!


って言いながら机を叩いて、美奈を睨みたかった。




そうしてやりたかった。


でも、できなかった。



美奈の言った言葉が心のどこかに、刺さったように頭からはなれない。



俺はうつむいて何も言えなかった。


そんな俺をチラッと見て、美奈はガタッと立ち上がった



そしてドアに向かって歩きながら言った。


「私の言葉が心にグッサリきちゃった?ねぇ?当たってたでしょ?」


そしてドアを開けて、俺のほうを振り返り言った。


「ドイツもコイツも、少しは相手のことを考えて行動してほしいわね」


俺を残して美奈は教室を出ていった。


しばらく俺は、その場からうごかなかった。


うごきたくなかった。


俺はあれからどれくらい教室にいただろう?


気がつけば、外は真っ暗で、月が出ていた。


明るい月が俺の、あやまちを照らすようだった。


そんな明かりから逃げるように、カーテンをしめて、教室をあとにした
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