【短】恋殻物語
その時パチンと響市と目が合って、私は思わず固まってしまった。


真っ直ぐな黒髪は風が吹く度にパラパラなびいて、ちょっとだけ日焼けした腕は、やたら暑かった今年の夏の面影を残してる。


「………っ//////」


再び急激に心臓のスピードが速くなって、黙り込む私。


響市はそんな私を変に思ったのか、ヒョイと私の顔を覗き込んで来た。


「保四?どうした?いきなり静かになって」


「イヤイヤ何でもない!大丈夫だから!!//////」


まさか好きな人に見とれてましたなんて言えるハズも無く、私は慌てて誤魔化した。
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