死神の嘲笑
空中から、次々と紙に書かれたものを取り出す死神。


そして、持ち主にそのものを渡していく。

だが、密封容器だけが余ってしまった。

「小田嶋さん、これを持っていてもらえませんか?」

「そうですね。俺だけ何もなしじゃ、寂しいですし」


乾燥剤の上で小刻みに揺れる、白い小さな固体――水酸化ナトリウム。

「ねえ、このお米みたいな粒、どうして乾燥剤と一緒に入ってるの?」

透明な容器の中を覗き込みながら、梓が友弥に問い掛ける。

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