死神の嘲笑
右手の刃を食い込ませたもの――大きなビーチボールは、野球の軟式ボールのように、ゴム製だった。

刃の先がコツンと何かに当たる感触がする。


その時、ふと健太に目を向けた。

田んぼの真ん中でぽつんと佇むかかしのように、ただ、立っている。

自分が、彼の大事なものを奪ってしまったのだ。

「ごめんなさい」

罪悪感が、足を動かす。

「朱理ちゃん、梓ちゃんを頼む。僕達はこの状況をどうにかするから」

走ることにより、臨の声が遠ざかっていった。

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