雨宿りの喫茶店
「…雨、まだまだ止みそうにないわねー」
「そうですね…もう少し居させていただいても良いですか?」
なんで自分がそう言ったのかも分からない。
でも、おばあさんやお店の雰囲気が穏やかで、もう少しここに居て話しがしたい。
単純にそう思ったと同時に口から言葉が出てしまっていた。
おばあさんはそんな私の気持ちを知ってか知らずかまた少しだけ笑って口を開いた。
「もちろん、こんなところで良ければゆっくりしてちょうだいね!」
その言葉に私は小さく頭を下げると、おばあさんは編み物をする手を少し止めて、私の方を見た。

