彼氏くんと彼女さんの事情
やっぱりさっきの嫌がらせは、高倉さん達だったか。
再びポケットに手を入れ携帯を取りだし、画面に視線を落とした。彼女達の視線に気がついていないふりをするためだ。
「(高倉さん、まだ春川くんのこと好きだったんだ)」
数ヶ月前に、高倉さんが春川くんの事を好きだと言っているのを、チラッと耳にした事があった。
しかし、クラスでも派手で目立つ、少し遊んでいそうな雰囲気の高倉さんが、まだ一途に春川くんの事を想っていたとは知らなかった。
今までも、春川くんの席に行くと睨まれているような視線を感じてはいた。
しかし昨日外で一緒にいるところを見られ、付き合っていることを知られたのだろう。
春川くんはモテる為覚悟はしていたのが。
「(みんなは春川くんの本性を知らないんだな…。)」
これから嫌がらせが続くのかなぁ。
そんな事を考え、はぁと再び溜め息を吐く。
高倉さんは執念深そうだから面倒臭い。
しかし取り敢えず、春川くんには言わないでおこうと思った。