ピアス
「山付近の天候は気まぐれですからね」
「詳しいな」
「いえ、当てずっぽうです」
 ピエールはニヤニヤし、顔をこわばらせた。
「ピエールありがとう。今のは俺の心を怒らせた」
 クリフは引きつった笑みをのぞかせる。
「え、え、やばい!だんだん昔のクリフ隊長に戻ってきてまっす。嬉しいのと複雑な感情が入り交じるこの思い」
 ピエールが慌てふためいた。足元を小刻みに動かすので泥が跳ねる。
「いや、闘いに向けて鼓舞してるだけだ。気にするな。過去は所詮過去。今をしっかり生きるからこそ未来をつくれる」
 クリフはピエールを見た。
 ピエールが唾を飲み込む気配が伝わった。
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