ピアス
「では、その他の国の隊長、副隊長を探すことが先決か」
 クリフは顎をさすり、頬を爪で掻いた。爪を見ると意外にも伸びていた。手がすいたときに切らなければいけない、そう彼は思った。



「隊長の言うことはごもっともなんですが、問題が?」
 ピエールは困惑した表情で言った。


「問題?」



「ええ。ダークシャドウの刺客が、この日本に隊長、副隊長を抹殺しようと放たれている徴候があります」


「徴候?」


「ええ。彼らはおそらく夜に活動します。闇に紛れた彼らが人間の身体を乗っ取り、我々を探してる可能性があります。その証拠に、昨日わったっし、襲われました」
 ハハ、とおどけた表情でピエールは言う。

「もちろん倒したんでしょうね?」
 ピエールに好感を抱かない柚菜が語気を強める。
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