あの日、守りぬくと誓った



病院に着く。



病院の中を走って病室に向かう、
非常識な自分に少し驚いた。






電話は兄の入院する病院からだった。






―――――――――――――――



《もしもしっ!?
佐藤さんのお宅でしょうか!》



「?

はい、そうですが…」




《佐藤政宗さんが、
階段から落ちて頭を打ったらしく
出血がひどくて…

妹さんですよね?
お母様はいらっしゃいませんか!?》


「…母は…仕事で…」


《そうですか…
妹さんだけでも、
病院に来ていただけますか…》


「は、い…すぐに…」



以前、兄が事故に遭って
死ねばいいと思ったときよりも
数百倍慌てていた。


部屋着のまま家を飛び出した。
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