あの日、守りぬくと誓った
私は回れ右をして
病室を後にした。
扉を開けて真実を聞く勇気はない。
どうせ、母が家に帰れば
母の口から聞くことになるだろう。
一体兄に何が起きたんだろうか。
死んだわけではないと思う。
だけど、
死ぬと同じぐらいの事が
起きたのだろう。
私は家に帰る気にもなれず、
誰かに話す気にもなれず、
近くにあった公園に向かった。
ブランコに乗る。
軽くこぐと
ギィィ…
と、どこか懐かしい音がした。
お腹が痛い。
昨日と同じだ。
病院から帰ってきたことを
今さら後悔した。
どうせ、いつか聞くなら…
私はまた病院へ足を運んだ。