天使な王子様と、無知な一人の少女がいました。
Chapter2.迎えにいくね。
カランカランと、景気の良い音が再び鳴り響く。
…と共に狛枝さん特製ブレンドコーヒーの香りが
再び蘇る。やっぱりいいにおいだなぁ。

「梨絵、お前ちょっと遅れてるじゃん。どうしたんだ??顔も赤いし。」
「へっ。そうなの!?」
「熱でもあるんじゃないか…」

そう言いながらあたしの額に手をあてる。

「こっ まえださん「ん~」」
(人の気持ちも知らないで。もう)

「37.6℃。ぐらいかな。帰った方がいいぞ」

ありゃ。熱だしちゃった。恋の病気みたいな。
でも、お店休んじゃうんじゃないかな。
でもでも。狛枝さんに迷惑かけちゃう。…ヤダヤダ!!

「なぁ。帰ったほ「いいえ!やりますっ!やらせてくださいっ!!」」
「…やれやれ。」

セーフ、セーフ。

やれやれ、という顔で看板を“Open”にした。
暫(しばら)くするとちらほらとお客さんがやってくる。
「いらっしゃいませーっ。」
「ハァーッ、ハァー…」

(うわ。かなりヤバい人が来た…ヲタクだよ、こりゃ。)

梨絵が言うことじゃありません。

「(笑顔笑顔。)あのっ、ごちゅうもんは…」
「…………。ちゃ、を」
「えっ??お茶ですか、」
「…梨絵ちゃんを、ちょうだああああぁぁぁぁい♥♥!!」
「きゃあああああああぁぁぁぁああ!?」

バーン!!

「「!?」」
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