光の速度、君への想い

サボタージュロマネスク

日本語は家庭内の標準語になっていたから、ドイツ語と同じく話せたし、聞き取れた、だから言葉の壁は無かったのだけど、生活環境で驚いた点は、主に食事の面だった。


佐渡は海鮮系の食事会多く新鮮な食材が多いのだけど生で出てくるものが多く、刺身や塩辛とか不思議な食感とか、あげればキリがない。


父は日本への赴任経験があるので、箸の使い方もなれているが、私はだいぶもたつく。


佐渡に来て父と住むとは思っていなかったから、この今の状況を一年前の私か知ったら驚くだろうなと感じた。
佐渡に来てから、朝食だけは一緒にすると約束をした父は、前のように仕事を優先しなくなった感じがした

父は箸の使い方を、私に優しく教えてくれた。
家族でこんな緩やかな暖かい時間は久しぶりに感じた

『戒音、学校の手続きが遅れてすまない、今日は悪いが、小山田くんと過ごしてくれないか?』


小山田真帆、あの不思議な性格の大学生。


私は昨日の、まるでドタバタコントを地で行く、棚橋幹也の雰囲気を思い出して笑った。


『では、支度をして施設に向かうよ?』 


父は、私に田島重工の施設に入れるパスを渡してくれた。
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