舞い散る花の導く先に
それから沖田さんは私の涙が引くまで黙って支えていてくれた。

そして、涙が引いたら帰ろうかと微笑んでくれた。

私は歩みだす。

自分の道を。

だけど、私が前に進んだら濃姫はどうなるの?

そんなことを考えているとふっと後ろに気配を感じる。

呉「あの、沖田さん。」

沖「なに?」

呉「すこし、先に行っててもらえませんか?」

沖「え?」

呉「あの、えっと・・・・」

沖「いいよ。わかった。少し先で待ってるからね」

沖田さんは何も聞かずに歩き出す。

本当に、いい人だ。

だけど時折瞳の中に見せるあの迷子の様な感情に彼自身は気づいているのだろうか。

そんなことを考えながら私は振り向く。

呉「ねえ、いるのでしょう?」

そう問いかけると風が花弁を舞い上げる。
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