舞い散る花の導く先に
私は稽古着へと着替えて部屋を出る。

呉「あ、そうだ・・・」

土方さんに昨日のお礼を言わなきゃ!!

私はそのままお部屋へ向かおうと思ったが、せっかくだからとお茶を入れてから向かう。

歩いていると土方さんの怒鳴り声が聞こえる。

土「ばかやろう!!出直してきやがれ!!」

そっと見ているとひとりの隊士が出てくる。

あれは、一番隊の・・・・

私に気づかずに彼は歩いていく。

その瞳にあるのは怒りではなく憎しみ。

そう、なにがなんでも敵を殺すときの武士の目をしていた。

呉「あの人のこと、少し気を付ける必要があるわね」

私のなかの濃姫の感がそう考えさせていた。

そしてわたしはとんとんと障子を叩く。

土「誰だ?」

中から聞こえてくる声は不機嫌もの。

だけど私は臆することなく声を発する。

呉「土方さん。呉羽です。」

土「呉羽?入れ。」

すっと襖を開けて入る。

< 43 / 128 >

この作品をシェア

pagetop