大人的恋愛事情 SS
よくわらず、隣の藤井祥悟を見ると、一気にグラス半分のビールを飲んで私を見た。
熱いのか冷たいのかよくわらない視線……。
「繭とこうしていられる毎日にだよ」
そんなことを軽く言われて、嬉しいけれど恥ずかしくなった私は思わず視線を逸らす。
「そんな大袈裟な……」
小さく呟きながら、ビールを飲むと隣で藤井祥悟が微かに笑う。
「大袈裟じゃねえよ」
「大袈裟よ……」
「言っただろ? 本気で好きだったんだよ。これからも、ずっとこうして繭といられると思うと乾杯もしたくなるってもんだろ?」
笑ってそんなことを言いながら、顔を背ける私を覗き込む。
その仕草に私の胸はキュンとなる。
心を温かくしてくれる藤井祥悟。
私を幸せな気分にしてくれる藤井祥悟。
どこまでも優しく包んでくれる藤井祥悟。
誕生日なんか本当にどうでもいい。