大人的恋愛事情 SS
毎日こうして藤井祥悟がいてくれるなら、それだけで私だって幸せだし産まれてきてよかったと思えるから……。
そんな幸せ気分満載の私は、明日が休みなのをいい事に、いつもより少々お酒がすすんだ。
雰囲気のいい店を出た頃には、少し酔っていたりなんかして。
「なんだよ? 珍しいな」
「いいじゃない」
藤井祥悟の腕に、自分の腕を絡めて歩いたりするのは、確かに珍しいといえば珍しかったりする。
「酔ってんのか?」
「ううん」
「酔ってるやつほど、否定するって知ってたか?」
近い距離の藤井祥悟の身体が、笑った事により僅かに揺れる。
その柔らかな振動すらが愛しかったりして……。
「知ってるけど、私は酔ってない」
そんなことを言いながら、さらに寄り添うように身体を寄せると、藤井祥悟が少し呆れた声を出す。
「やっぱ酔ってるだろ」
呆れた声なのに、何故か愛情を感じられたりして。