大人的恋愛事情 SS
「一緒に出てきたのか?」
一緒に?
森君と?
一緒ってわけでもないけど、結果的には一緒に店を出た。
「そうだけど」
軽く返した私をソファに座ったまま見上げ、手を伸ばし私が持っていたグラスを取り上げ、それを目の前のテーブルに置く。
「なんなの、それがなに?」
言いたい事がいまいちわからずに、少々苛立つ私の腕を掴み、そのまま引き寄せられて……。
ソファに座る藤井祥悟を跨ぐような形で上に座らされて、ギュッと抱き締められた。
怒っていても、機嫌が悪くても、こうして抱き締められるなら、まあなんだっていいかという気になる私が抱き締め返すと、肩に顔を寄せた男が小さく呟く。
「飲むなって言っただろ?」
そう言えば、この前そんなことを言っていたような……。
「そんなこと言ったって、送別会だし」
「男と一緒に店出ることないだろ」
「それは、偶然森君が……」