大人的恋愛事情 SS
 
そこまで言って、ふと藤井祥悟とこうなるきっかけとなった新年会を思い出す。


確か同じ店だった。


あの時もあの店で、今日と同じように部長の愚痴にうんざりしていたのを思い出した。


そんな中、軽く誘って来た藤井祥悟と一緒に店を出て、それから違う店で二人で飲みその後は……。


「ねえ……」


「ん?」


「もしかして待ってた?」


「……」


よく考えると、いくら忙しくても10時を過ぎるなんてことそうそうない。


それなのにそんな時間に、店の前にいたなんて待っていたとしか思えなくて。


気まずいのか黙ったままの藤井祥悟に、言いようのない愛おしさが込み上げ、さらに強く抱き締めると、どこまでも大人の色気を出せるわりに意外と弱気な男が顔を上げた。


質問には答えない藤井祥悟がキスをしてくるので、それに応えるようにキスを返す。
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