あの夏で
「みなみちゃん」
「なに?」
「さっきのやつらにさ、俺たちのところに行っちゃった。でもあいつらは信用できるっていうか、他人に話すやつらじゃないからさ」
ちらってあたしの顔を伺うゆうき。
別に言ってもいいんだけどな…。
それよりも…さっきの内藤 智さんのあの表情は一体なんだったんだろう…。
あたしの思い違いかもしれないけど…。
「別に…いいよ…」
「ほんとに?」
「ほんと」
「ありがと。みなみ」
「じゃあまたくるね」
「え?もう言っちゃうの?」
「今日はちょっと用事があるの」
あたしはお花を花瓶にいれながらそんな会話をした。
「ふーん。じゃあばいばい」
あたしは病室を出た。