あの夏で





あ、ゆうきの病室に忘れ物しちゃった。




今きたばかりの道をひきかえして、ゆうきの病室の前でノックをしようとしたら……。



「あたし…ゆうきが好き…」



この声は確か、中野 香月さん。



「ごめん。ちょっと考えさせて」





ゆうき……。




どうして断らないの?




あたしがいるのに……。




ゆうき……。




あたし不安だよ…。




助けてよ。




あたしはふらつく足取りで病院を出た。







ゆうき………。








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