雨降る中で
一歩、一歩後ずさりし気付かれないよう屋上を出た。



教室に戻るとクラスメイトは移動教室のため誰もいなかった。


私はそのまま自分のかばんを取り桜にメールをし学校を出た。



家までの帰り道、歩きながら考えてみる。


確かに遥とは1年の時、同じクラスと言うだけで何の接点もなかった。


人気者の遥が告白なんてありえない。


賭けの対象かぁ...


不思議と、あの時みたいに涙は出なかった。



何の感情も湧き上がらなかった。


どこか客観的にさえ思え可笑しかった。


やっぱり私は人を好きになったり泣いたりそんな気持ちを、あの時失くしちゃったんだろうか…




その夜、遥からメールが来たが返信はせずに眠りについた。



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