雨降る中で
「鮎は笑顔の方が似合うよ」



あの楽しかった頃のように祐介は優しく笑っていた


大っ嫌い…


目の前のコイツも…


遥も…


みんな嫌いだ



なのに…



何でみんな、こんなにも優しいのだろう



祐介の大きな胸を押し返す事も言い返す事も出来ずただ泣いた



私達に降る雨は冷たいのに祐介の香りの中で久し振りに泣いた


私は泣き止み方ももう思い出せない





本当に一番嫌いなのは弱い自分…








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