雨降る中で
校門に差し掛かると新入生含めたくさん生徒が登校していた

自分の1年前を見ているような感覚で、そんな光景を眺めていると人混みの中…



「えっ」



私は校門の前に立つ一人の男子生徒と目が合った気がした



「どうかした?」



私の声に遥が自転車をこぎながら振り返ってきた




嫌な予感がする…




「ううん、何でもない…」



後ろを振り返えるのが何故か怖く無意識のうちに遥のシャツを掴んでいた




「俺、チャリ置いてくるから新しいクラス確認しといて」



「あっ…うん」



ふと我に返り目の前に貼り出されているクラス表を見上げた



「…あっ」



「俺ら同じクラス?」 



自転車を置いてきた遥がクラス表を見上げる



「ううん…私が3組で遥が4組」



遥は少し残念そうに私の頭を撫でた



「でも体育は一緒だから知恵の体操服は見放題だな」



私は遥を見上げ笑った



「何それ」



「じゃ、行きますかお姫様」



< 6 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop