雨降る中で
家から飛び出してきた私に気付いた遥は

「おはよう」

と言いながら携帯をポケットにおさめた


「遥、ごめん寝坊した」


遥は笑いながら私の曲がったネクタイを直してくれている



「慣れてるよ、遅刻するから急ごう」



遥は自転車に股がり笑顔で後ろの荷台をポンポンとたたいた



起きたときに降っていた雨はすっかり止み雲の隙間から日が差している



遥の自転車から流れる風は少し雨の匂いがした



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