百鬼夜行の主~番外編~
雪羅は少し拗ねたような顔で、俺に語り出した
四月朔日と喧嘩したこと、喧嘩した理由が嫉妬だったこと、売り言葉に買い言葉で嫌いと言ってしまったこと、それを後悔してること。
「嫉妬なんて、したことなかったからよくわかんなかった。でもさ…人間とかだと当たり前なんだよね…正直、ちゃんと謝れるか不安…」
頬を膨らまし、目を伏せた顔で小さく呟いた雪羅はとても可愛らしく思った。
しかし、それは俺らを率いてくれる小さな恋人に対するものとは違う。
まるで妹を見ているような、そんな感情を抱いた。
俺らは幼馴染みで、幼馴染みだからこそ付き合うなんてバカバカしいとお互いに思って別れて今はその幼馴染みを妹のようにみれていてー
きっと、俺らが本気で相手のことを愛していたらこんな気持ちになることも、主様のことを好きになることもなかった