月光花の守人
何かを覚悟したような。


そんなマナトに不安を覚え、一歩近づこうと足を踏み出すと、月光花が風ではらはら散る。


「また会えるから、オレを忘れないでくれ……さよならヒナ」



マナトの姿はこつぜんと消え、ヒナは何がなんだかわからずマナトの名前を呼び続けるが返事はない。



「い、いやだ……いやだよ、マナト……さよなら、ってどうして……マナトっ」



どんなに泣いても、名前を呼んでも、マナトは戻って来てくれなかった。



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