月光花の守人
夜風が少し冷たい。


「ヒナ、月だよ」

「わあ……お月様が、目の前にある。すごいね、マナト」

「ああ。本当に、すごいな……」


しばらく月をながめて、それから月光花の中に降りる。


ヒナが何かいおうとした時、かみかざりをマナトがつけてくれた。


白雪の花を。


「これ、月光花?」

「……オレが、月光花に似せて作ったんだ」

「ありがとうマナト」


花のような笑顔を浮かべると、いつもと同じような、でもどこかちがうマナトの表情。



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