【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
さっきまでの恥ずかしい気持ちが一気に
萎れていく。
むしろ今は悲しみに満ちているといって
も過言じゃない気がする。
でも……、と光弥を睨んだ。
「光弥のせいで進まないんだよっ!」
こんなくっついてくるから!
これじゃやろうと思ったって、意識が全
然集中出来ないよ!
だけど……。
「……違うだろ?ただ単にわからないだ
けだろ。おバカさんな恋那ちゃん?」
光弥はやっぱり余裕たっぷりに笑うと、
そんな意地悪を言ってきた。
む、ムカつく!!
「違うもん!」
「へぇ……?じゃあ、やってみろよ」
精一杯の見栄をはって、プイッとそっぽ
を向く。そりゃ、少しはそれも……いや
、ほとんどがそれが原因だけど。
光弥に指摘されるのは、癪だ。
光弥はそう言うと、にやっと口の端を上
げ、私を解放してくれた。
自由になった身体にホッと息をつきなが
ら、ワークに目を落とす。