天神学園高等部の奇怪な面々34
「それでは」

審判の完璧超人が右手を上げた。

「はじめっ!」

試合開始。

バルナは開始線で棒立ちのまま。

龍太郎は腰を落として構える。

距離を保ったまま、動かない両者。

しばしの緊張した睨み合いが続くが。

「いくぜっ!」

まずは龍太郎が動いた!

高速歩法・活歩で瞬時にしてバルナの背後をとり、左フック!

しかし。

「うっ?」

左フックがヒットしたかに思われた瞬間、バルナの姿は影の中に消えた。

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