不良だらけの危険なバイトッ☆
「いいから行けよ」
ユキ君はそっぽを向いた。
「で、でも…」
あたしはそこから動けない。
だってユキ君のこと、ほっとけないよ。
このまま一人にしたらユキ君は…。
結局お互い無言のまま、ただ時間だけが経過していた。
どうしよう…
何て声をかけたらいいんだろう。
頭の中を色々な思いが巡って答えにたどり着かない。
そんなことを考えてるうちにあたしを睨みつけていたユキ君がフッと笑った。
「はははっ」
な、なに…?
急に笑いだすからあたしはとまどいを隠せない。
「はははっ…あはははっ…」
「ゆ、ユキ君?」
顔色が悪いのは変わらないくせに、ユキ君はお腹を抱えて笑っていた。
「俺も落ちぶれたもんだな」
「え?」
「お前みたいな泣き虫に同情されるなんて」
ズキン…
今のユキ君の笑顔は残酷さに溢れていた。
それはまるで、突き刺さる…刃のような。
同情なんて…そんな
「違うよ」
「何が?違わないだろう?」